スコップの流儀

 スコップ。別に同位体の覚え方(SCOP:硫黄・炭素・酸素・リン…)ではない。土砂を掘ったりするのに使う、皿形の部分に柄がついた道具、アレだ。シャベルとも言うが、これらの違いはバッチリJIS規格で決められていて、柄の部分の皿がまっすぐで足を掛けられるのがシャベル、丸くなってるのがスコップだ。形状から察するに、シャベルは足を乗せて体重を掛けることにより「掘る」ための、スコップは腕の力だけで「すくう」ためのものなのだろう。

 ちなみに、西日本では大型の物を「シャベル」・小型の物を「スコップ」と呼ぶが、
東日本では逆に小型の物を「シャベル」・大型の物を「スコップ」と呼ぶとされる(wikipedia)、とのことで、私の住んでいる地域は西日本なので、ハンディーなものはスコップだ。

 今日の仕事の前半戦は、このスコップが大活躍だ。2種類、計約300kgの粉をスコップを用いて40袋に量り分ける、というもので、目の前には重量計と袋、右手にはスコップだ。あとはひたすらスコップで粉をすくい、目的の重量となるまで袋に入れる。ゴールは約300kg。気の遠くなる単純作業だ。

スコップの流儀 ひとすくい1/3までだ。

 一見単純作業でもそれなりのコツはあり、以下の通りだ。
   ①一度にスコップですくう粉の量はスコップの皿の1/3まで。
   ②スコップを持つ手は固定し、手首のスナップを利かさない。

 ①は単純にこぼれるから。あと、あまり沢山乗せるとその重さが後に響いてバテてしまう。②はスナップを利かせると粉をスコップの皿に乗せやすくなるけど、これも①と同様、同じ部分に力を掛け続けると、後々バテてしまう。手首がダルくなって回らなくなるんだ。300kgへの道は長いから無理のないペースで淡々と続けるのがコツなんだ。スコップ一度のすくいで約500g。600回程度繰り返すだけで目標到達だ。そんなコトを考えながら、黙々と作業を行うのだった。この単純作業、機械化できればとても助かるのだけど…。