電車の中で腹下し日に

 いつもの通勤電車のいつもの席に座り2駅(約10分)で、それは突然にやってきた。下腹あたりが痛みだし、グルグルと異音を発し排便を促すような状態に陥る。下腹部の痛みと排泄要求を我慢しているうちに額にうっすらと汗。つまりは突然の下痢だ。

 私のような訓練された社畜は、通勤電車で途中下車という遅刻に繋がりかねない行為は忌避すべきであり、そのために事前に水分量の調整(飲みすぎない)を始めとして家を出る前の排泄を習慣化する等の工夫を行っている。

 しかし、起きてしまったことは仕方がない。現状を把握し、社の最寄り駅到着までの約60分、この時間を乗り切れるかどうかの算段を行う。ダメそうなら途中下車してトイレに駆け込まねばならない。この間、現状に陥った原因や、どの駅で降りよう等々、色々なことが頭を駆け巡る。私には「ゲリポーテーション」のような特殊能力は無い。ただ、頭を働かせ考えるんだ。

 私は思考の海に沈むべく、カバンを両手で包み込み、電車の揺れによる刺激をさけるような、少し前かがみの体制を取りつつ、現状の緩和に努めた。この時、気を紛らわすために携帯を見る、なんてことは悪手だ。ふとしたきっかけで揺り戻しを受け排泄への要求が高まる。ただでさえ腸は蠕動運動(ぜんどううんどう)と言って異物を外に出すために動いているんだ。可能な限り単一の姿勢を取り、できる限り動かない。「一は全、全は一」だ(?)。

 まず、降りてトイレに飛び込むとした場合。前提として、下車してすぐにトイレに到達した際に、トイレが空いていてすぐに用を足せなければならない。つまり、利用者が多く混んでいる駅はダメだ。現在乗っている電車は快速、止まる駅の利用者はどの駅も多い。ということは、他線乗り換えがあり乗客がある程度分散する駅の方が良さそうだ。あと、できるだけ新しくてキレイなところがいい。だが、これは一番最後で良い。飛び込んだ時にすぐ使えることが最優先だ。

 次に原因だ。寝冷えか?消化不良か?それとも風邪か何かの病気か?昨日は何を食べた?飲んだ?睡眠時間は?朝はちゃんとトイレに行って出てきた?駅に着いたときに違和感は無かった? -現状に至った原因を全力で考える。

 

 オチはこうだ。単一の姿勢で必死に考え事をしていたら、いつの間にか寝ていた。起きたら社の最寄り駅の一駅前だった。あれだけ悩まされた便意はいつの間にか引き、凪となった。引いた便意と相談し、最寄り駅に辿り着いた私は、そのまま社に向かいトイレで用を足した。一件落着!

ヨドバシの方が安かった。

 あと、本日の教訓に薬を買った↑。